肩の力を抜いて“家族”になったバービーさん
~迷いの果てに選んだ「結婚」TOKYO FUTARI
バービーさん(41歳) 夫・つーたんさん(36歳) 長女(1歳) 愛犬・神ちゃん
お笑い芸人として活躍するバービーさん。夫・つーたんさんとの出会いは、意外にもSNSのDM(ダイレクトメッセージ)でした。軽やかなやり取りから始まった縁は、やがて“出会いから500日目”のプロポーズへ。事実婚のままでいるか、結婚するか――迷い続けた先で、ふたりが選んだのは「結婚」。等身大のエピソードで、その道のりをたどります。
DMから始まった偶然と直感
きっかけは、日々のメッセージに紛れて届いた一通のDM。つーたんさんからの文面だけは、失礼さも変な気取りもない、肩の力が抜けたものでした。嫌な感じがしないメッセージに、バービーさんは思わず返信しました。
やり取りはテンポよく続き、DMをきっかけに人と会うことはこれまでなかった彼女が、このときだけは自然にその線を越えました。最初のDMから初対面までは、およそ1週間。
顔をよく知らないはずなのに、待ち合わせの場所で、シルエットと雰囲気だけで「この人だ」と分かった。そんな小さな“確信”から、ふたりの物語は動き出します。最初の食事は、落ち着いて話せる個室のお店。DMでの直感そのままに会話のテンポが合い、誠実さがにじむ受け答えに笑顔と安心が満ちていきます。人の名前を覚えるのが得意ではないバービーさんは、その場でニックネームを考案。それが今も呼ぶ「つーたん」。
互いにニックネームで呼び合いながら盛り上がったふたりは、店を出たあと自然と近所の公園へ。ブランコに並んで座り、長く語り合う時間。まるで昔から一緒に居たかのように、ふたりの間にはもう距離感はありませんでした。
幸せになっていい――友人の後押しで交際へ
出会ってからしばらくは、会うペースを落とした時期もありました。真面目に向き合っては傷つく――そんな経験を重ねてきたバービーさん。「自分は幸せになっていいのか」と、心がブレーキを踏んでしまったといいます。
転機をくれたのは、同じ芸能の世界で活動する友人・福田彩乃さんでした。福田さんと福田さんのパートナーとは、バービーさんとつーたんさんは以前から親交がありました。4人で食事をした夜、自然な流れでつーたんさんのバービーさんに対する率直な思いに向き合う時間になりました。そこで福田さんがそっと背中を押します。
「幸せになっていいんだよ」
その言葉に、張りつめていたものがふっとほどけ、思わず涙がこぼれたバービーさん。自分でかけていた心のブレーキが、すっと緩んでいくような感覚でした。
これまで、仕事柄「しっかりしていなければ」「笑われる側でなければ」と自分を律し続けてきた。恋愛でも、無意識のうちに“強い自分”を演じるようになっていた。けれど、つーたんさんの前では、そうした「守り」が意味を持たないと感じていたバービーさん。飾らなくても、彼はまっすぐに向き合ってくれる。そんな確信が、これまでの小さな出来事の積み重ねから生まれていたのです。
福田さんの言葉は、まるでその確信を最後に押し出す合図のようでした。迷いが消えたわけではありません。けれど、“迷う=立ち止まる”ではなく、“迷いながら進む”という選択もある。つーたんさんなら「一緒に進んでみよう」とアクセルを踏める――そう思えたのです。
500日目のプロポーズ、そして“事実婚”か“結婚”か
ふたりが初めて会った日から数えて500日目。つーたんさんからサプライズプロポーズがありました。節目のタイミングでの告白は、照れくささと決意が同居する時間。けれど、バービーさんの返事は即“YES”ではありませんでした。
同棲して、生活を共にし、すでに“家族”だと感じていたバービーさん。「形を変えることに、どれほど意味があるのか」という迷いがありました。事実婚のままでいるという選択肢もある中、どこを譲ってどこを守るか――話し合いはときに平行線のまま。
そこから約1年。感情の側面と現実の側面、両方が少しずつ動いていきます。感情面では、ふたりの生活の手触りが「未来形」で想像できるようになっていく過程がありました。バービーさんが大怪我をしたときにつーたんさんがサポートしてくれるなど、頼れる場面が積み重なり、日常の細部にさらなる安心が宿っていきます。
現実面では、医療の手続きや緊急時の「家族であること」の証明、子どもを迎えることを見据えた準備など、結婚で得られる具体的な効能が輪郭を帯びました。形は飾りではなく、暮らしを守る道具でもある。理屈で積み上げた先に、最後に必要だったのは一歩を踏み出すための“ひと蹴り”。それをバービーさん流の言葉にすると「直感と運気」。日々の積み重ねが押し出してくれた勇気だったのかもしれません。
そして婚姻届を提出。迷いながら歩いた季節は、静かな確かさを伴って「結婚」という選択に着地。大げさな式や演出はなくても、ふたりにとって必要な“形”が、暮らしにカチッとはまった瞬間でした。
頼る大切さと折り合いのつけ方
子どもが生まれてからは、生活も大きく変わりました。つーたんさんの働き方が変わって在宅時間が短くなり、料理などは経験の長いバービーさんが担う場面が増加。一方で、つーたんさん自体の家事能力は高く、むしろ本気を出せばバービーさんよりも短時間で片づく。だけど、時間がない。モチベーションは同じでも「時間の自由度」という見えない壁にぶつかり、理想の“50:50”は簡単ではない現実にも向き合いました。
ふたりが選んだのは、「頼る」こと。シッターや家事支援といった行政サービスを利用することに罪悪感を抱く必要はない、相手はプロだし、むしろ使うことで制度は磨かれ、予算が確保されていく。「無理せず制度をうまく使うことも、続けるための工夫のひとつ」とバービーさんは言います。
“完璧な親”より“続けられる家庭”。頼る勇気が、家族の時間を取り戻してくれる。仕事の時間帯がすれ違う日もありますが、言わなくていいことは言わない夜をつくる、必要なことはきちんと話す――そんな折り合いの付け方が自然と身についてきました。
続いていくから“日常”になる
休日は、長女と愛犬と一緒に近所を散歩。犬も子どもも入れる店を見つけては小さな寄り道を重ねる。肩の力を抜いた素朴な時間が、いまの“家族の真ん中”にあります。
ふたりが最後に選んだのは結婚という形。そこに至るまで、事実婚のままでいるという選択肢を真剣に検討し、足踏みの一年を過ごしました。焦らず立ち止まったからこそ、形が暮らしを守る道具であると理解でき、感情の成熟と生活の実感が重なった瞬間に、自然と答えが定まりました。
肩の力を抜いても、家族にはなれる。むしろ力みが抜けたときに、ほんとうの“続けられる暮らし方”が見えてくる。今日もふたりは、そんな確かさの上に、小さな日常を積み重ねています。
ふたりのQ&A
- Q
- 出会いは?
- A
- つーたんさんからのSNSのDM
- Q
- 初デートは?
- A
- 初DMから1週間後に個室の店で食事&公園でのブランコデート
- Q
- 結婚への道のりは?
- A
- 初対面から500日目につーたんさんがプロポーズ。熟考ののち約1年後に婚姻届を提出。
- Q
- 家族構成は?
- A
- 長女との3人暮らし+愛犬。
- Q
- 家計と家事の分担は?
- A
- 現在は家事・育児の大部分をバービーさんが担当。家計は育児にかかる費用が半々で、それ以外は別々。
- Q
- 休日の過ごし方・よく行く場所は?
- A
- 家族で散歩。犬も子どもも一緒に入れる近所のお店を巡る定番コース。
バービー
北海道出身。2007年、相方のハジメさんとお笑いコンビ「フォーリンラブ」を結成。
テレビやラジオで活躍するほか、生まれ故郷である北海道栗山町の町おこしにも尽力。
YouTube「バービーちゃんねる」では、最新美容や女性の悩みについてのトピックが話題となり、現在の登録者数は30万人を超える。
著書は、「本音の置き場所」に続き、「わたしはわたしで生きていく」を一昨年出版。多岐にわたり活動の幅を広げている。
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